食の「もったいない」の改善の糸口 酒米粉


酒米粉は、日本酒造りで原料となる酒米の外側を削る工程で生まれます。米を削る作業は、雑味を取り除く際に実施しますが、この時に生まれる「米の磨き後の粉」を酒米粉と言います。 これまでは主に、肥料として使われいましたが、良質な酒米粉は、食用にも活かせれるようになってきました。種々の加工食品の現場で重宝されています。  

 

無論、今までは肥料以外は廃棄が主でしたので、活用そのものが、食品廃棄の削減に繋がります。


酒米粉の種類


日本酒を製造する際に使用する酒米は種々ありますが、主な5つの種類を紹介していきます。流通している酒米粉の6割が山田錦、五百万石と言われています。

 

・山田錦(やまだにしき)

たんぱく質の含有量が少なく、高精米が可能なため、蔵元にとっては酒造りしやすい品種であり、数多くの御酒の原料として採用されています。

 

・雄町(おまち)

品種改良されることなく、100年以上途切れずに栽培されている唯一の固定種です。山田錦等の祖先として知られています。栽培が難しいため、生産量が減少し、絶滅危機を迎えていましたが、近年になって復活しました。

 

・五百万石(ごひゃくまんごく)

山田錦に次ぐ酒米の原料として名高い存在です。北陸を中心に栽培されています。酒造好適米として指定されている品種は、現在100種類ほど存在しますが、山田錦と五百万石を合わせると全体の59%ほどの流通量になります。

 

・美山錦(みやまにしき)

長野県を代表する酒米で、突然変異によって誕生した新しい酒米です。五百万石に近い味わいで、繊細さがあり、すっきりとした味わいです。寒冷地での栽培が可能なため、長野県のほか東北地方でも幅広く栽培されています。

 

・八反錦(はったんにしき)

 

広島県で誕生した酒米です。大粒で心白が大きいのが特徴で、上質で香りの高い品質になります。硬いお米のため、雑味が出にくく、爽快なキレが特徴的です。


酒米粉を食事に取り入れること


酒米粉は、小麦粉と比較されることが多いです。必須アミノ酸とタンパク質がバランス良く含まれているかどうかを表す「アミノ酸スコア」という数値では、米粉が65、小麦粉が38〜44となっており、米粉の方が、必須アミノ酸が含まれています。 アミノ酸以外にもビタミンB1やビタミンE、種々のミネラルが豊富である等、酒米粉の方が栄養価は優れているといえそうです。

 

また、小麦に比べ酒米粉はグルテンフリーのため、セリアック病患者の食事療法や、小麦アレルギー対策として活用できます。種々の健康効果も報告されており、コレステロール値の低減、整腸作用、ホルモンバランスを整える等々が代表例です。日々の食生活にちょっとした工夫で、健康な食事を意識できるようになります。